3/2 トロムソ散策
オーロラハント2日目。快晴。8時半頃に起床し、朝食を買いにロビーへ。
これだけで値段は90 NOK(1200円くらい)だった。物価の高さを嘆きつつ、出かける支度をする。特に目的地を決めずにぶらつくことにした。
最初に着いたのはトロムソ大聖堂。プロテスタントの聖堂としては世界最北らしい。休日だからか、中には入れなかった。
大聖堂の脇を通り抜け、そのまま海沿いへ。チョコに砂糖をたっぷりまぶしたようなノルウェー本土側の山々がきれいに見えた。
しばらく海岸に沿って歩き、寒くなってきた所でギフトショップに寄った。北極圏到達証明書(Polar Certificate)もショップ近くのTourist information centerで買えるということで、記念に購入した。
時間を見ると12時を回っていたため、昼食をとることにする。ホテルにお土産を置いてから、図書館近くのBardus Bistroというお店へ。英語が問題なく通じて安心した。
入ってまず飲み物を聞かれたため、ビールを注文した。ノルウェー初ビールである。ラベル右下に書いてある“Mack”というのが醸造所の名前らしい。世界最北のビール醸造所もマックビールの醸造所とのこと。
ちなみにノルウェー語とデンマーク語でビールはøl、スウェーデン語ではölである。ただしドイツ語ではÖlは油という意味になる。なぜだろう…。
食事はその日のおすすめ魚介料理を頼んだ。
白身魚に甘めのソースを絡め、海草やパセリを添えたもの。おいしかった。食後にコーヒーを飲んでゆっくりしたあと、散策を再開する。
しばらく歩いてから、近くにあった北極博物館(Polarmuseet)へ。ここでは北極圏の暮らしや北極探検に関する展示を見学できる。ツアー客でとても混雑しており、ゆっくり見ることができなかった。
一通り展示を見終え、博物館をあとにする。オーロラが見えるようになるまでまだしばらく時間があったので、スーパーで買い出しをした。ビールも無事に買うことができた。
ホテルへ戻り、オーロラアプリを見ながらホテルでゆっくりする。19時前にホテルを出発し、昨日と同じくPrestvannet湖へ向かった。
湖畔でしばらく待っていると、だんだんとオーロラが見え始めた。昨日よりややぼんやりしている。昨日の反省を生かし、露光時間を調整できるアプリを入れたiPadでオーロラ撮影を試みたが、ぼんやりとした写真しか撮れなかった。写真を撮ろうと奮闘してオーロラを見ないのも本末転倒な気がしたので、撮影は早々に諦めてオーロラをひたすら眺めることにする。雪が音を吸収しているのか、あたりはとても静かだったため、オーロラ観賞に集中することができた。
1時間ほど経った所で周りに人が増え始め、加えて体も冷え始めてきたので退散。ホテルに帰ってから買ってきたビールを飲む。IPAをのぞくとどれもさっぱりした味わいだった。眠くなってきた所で就寝。
3/1 ノルウェーへ
オーロラを見に行くためにノルウェー・トロムソに向かった。初の北極圏ということで気分が高まる。
ライプツィヒ・ハレ空港からフランクフルト空港、オスロ空港で飛行機を乗り継いでトロムソ空港へ。フランクフルトで軽く昼食をとった。去年ブリュッセルへ行った時によった店と同じである。
オスロ空港ではなぜか1回外に出された。EU非加盟だからだろうか。ついでにeduroamがつながって驚いた。
10:30にライプツィヒを発ったが、結局トロムソに着いたのは19時過ぎだった。結構遠かった。
トロムソ空港から市街地まではFLYBUSSEN AIRPORT EXPRESSで向かう。往復160 NOK(1 NOKはだいたい13円)と少しお高め。20分ほどで市街地へ到着した。
まずはホテルにチェックインし、その後夕食がてら散歩に出かける。
目星をつけていた店が満席で入れなかったため、スーパーで買い出し。20時以降(土曜は18時以降)のアルコール販売は法律で禁止されているため、ビールは買えなかった。一旦ホテルに帰り、夕食をとる。
良い感じにお腹が膨れた所でオーロラを見にPrestvannet湖へ。オーロラ観測アプリを使って出発の頃合いを見計らった。
湖へ向かっている途中でも既にうっすらとした雲のようなオーロラが見えた。街灯ありでもオーロラが見えるのなら、真っ暗な所では更にはっきり見えるに違いないと期待に胸を高鳴らせつつ歩く。美しいトロムソの夜景も眺めることができた。
25分ほど歩いた所でPrestvannet湖へ到着。遊歩道沿いにオーロラが見えそうな場所を探す。ちょうど街灯もなく開けた場所を見つけたため、しばらくそこで粘ることにした。最初はうっすらとしたオーロラしか見えなかったが、待っているとだんだんオーロラの形状がはっきりしてきた。スマホしか持ってきていなかったため、写真は撮ることができなかった。まあ写真はプロの人がたくさん撮ってるしいいかな…と思いつつオーロラを観賞する。空の端から端までレースのカーテンのように軽やかにはためくオーロラはとても美しかった。トロムソでは結局3泊したが、結局この日のオーロラが一番はっきりしていた。屋内でワインでも飲みつつオーロラを楽しめたら最高なのになあと考えつつ、現実の自分は寒さの中で手足の指の感覚を失いつつあったため、湖をあとにした。
ホテルへ帰ったあと、シャワーを浴びて寝た。
12/26 クリスマスマーケット@ザルツブルク
今日は少し足を伸ばしてザルツブルクのクリスマスマーケットへ。本来クリスマスマーケットはキリストの誕生日に備える期間(Advent, 待降節)のはずなのに、なぜ12/26になってもやっているのか…?などという疑問はさておいて、RegionalExpressに乗車。
ミュンヘンから電車に揺られることおよそ1時間40分。ザルツブルク中央駅に到着する。オーストリアもドイツ語圏であるため、全く違う国に来た感じがしない。この垣根の低さも欧州ならではである。
まずはバスに乗ってミラベル庭園へ。有名な「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台である。遠目に見えるのはホーエンザルツブルク城。
ミラベル庭園を少し歩いた後、クリスマスマーケットが行われているResidenzplatzに向かう。途中でモーツァルトやカラヤンといった著名な音楽家ゆかりの場所をたくさん見かけた。
ミラベル庭園で購入したザルツブルクカードを使おうということで、モーツァルトの住んでいた家やモーツァルトの生まれた家にも行った。
モーツァルトの生きていた頃はもちろんこんな金ぴかの文字ででかでかと“Mozarts Geburtshaus"なんて書かれてはいなかったんでしょう…。モーツァルトの使っていたバイオリンや楽譜からモーツァルトの顔や身長に関する情報に至るまで、様々な資料が展示されていた。
ザルツブルクの街並みがイタリアのバロック様式からオーストリアのバロック様式に移り変わりつつあった1700年頃に建造された三位一体教会(Dreifaltigkeitskirche)にも行った。
小ぶりながらも静かで落ち着いた雰囲気の美しい教会だった。
ザルツブルクを取り囲む山々を眺めつつ、石畳の通りを歩いていく。ザルツブルクに限らずヨーロッパの通りは全体的に景色を意識して作られているようで、大きい都市などにおいても閉塞感を感じることが少ない。都市設計にこだわりを感じる。
そしてクリスマスマーケットに到着。けっこう混雑していた。マグカップをゲットするべく早速ドリンクを購入。連日のグリューワインで胃腸がやられていたため、ミルクココアっぽいやつを選んで購入。
お酒だった。しかも蒸留酒ベースらしく、度数が結構高い。チョコを溶かしつつ飲んだ。おいしかったが腹はやられた。
クリスマスマーケットを後にし、ザルツブルクを一望できるホーエンザルツブルク城へ向かう。高速ロープウェーに乗り、山の上へ。ザルツブルクカードのおかげでチケット購入列に並ぶことなくすいすい乗車できた。とりあえず街と山の写真を撮りまくる。気持ちのよい夕暮れだった。
城内にあるホーエンザルツブルク城に関する展示を通り抜けててっぺん近くへ。
山好きな自分にとっては絶景だった。この景色を見ながら1日中ぼーっとしていられると思うくらいである。残念ながらそこまでの時間はないので再び城内へ戻る。
ちょうど日も暮れかけであり、城壁の砲門らしき所からザルツブルクの夜景を眺めることができた。
日本ではなかなか見られない、暖色を基調とした都市の夜景である。紺と紅色からなる夕闇とのコントラストがよい味を出している。
この時間帯は山々のシルエットもくっきり浮かぶ。
城からの夜景を堪能したあと、ロープウェーに乗って街へ戻る。
ザルツブルク中央駅まで歩き、そこからミュンヘンへ戻る。マグカップもたくさん集まり、母・弟ともども大満足である。
明日のノイシュヴァンシュタイン城観光に備えて早めに就寝。
12/25 ミュンヘン散策2日目
今日もミュンヘンを散策。ふたたびMarienplatzを起点にし、今度は南下。Marienplatzから新市庁舎を見ると、時計のからくりがくるくる回っていた。ちょうど12時だったらしい。
まずはペータース教会(Peterskirche)に上ってミュンヘンの街並みを眺める。めちゃくちゃ寒かったがよい眺め。
教会の中は下の写真のような感じだった。
教会を出てからミュンヘン市立博物館(Münchner Stadtmuseum)へ。ミュンヘンの文化や街並みが変遷していく様子を細かく知ることができた。中でもミュンヘンの街と移民の関係について大きく場所が割かれていたことは非常に示唆的であった。Karl Arnoldによるこんな風刺画も。
市立博物館をあとにし、遅めの昼食をとる。近くにあったHackerhausというお店へ。割と有名なお店らしい。というかクリスマスに開いてるのなんて有名なお店くらい、というのが正しいかもしれない。Hacker-Pschorrというミュンヘンのビール会社の直営店であり、おいしいビールを飲むことができる。ビールの最小単位が1Lな所がいかにもミュンヘンという感じでたいへんよかった。家族のためにコーラを頼もうとしたらふふんと笑われたのも印象的だった。決して悪口ではない。
シュニッツェル&ビールというデブまっしぐらなメニューをおいしく頂いた。
その後ホテルに戻って明日のザルツブルク行きの準備をした。少し飲み足りなかったので、ニュルンベルクで買った陶磁器ジョッキでビールを飲んだ。
12/24 ミュンヘン散策
今日はミュンヘン市内の散策。博物館・レストランはほぼお休みなため、ひたすら歩き回った。クリスマスマーケットも終わりかけであり、全体的に町が静かな感じに戻っていた。Marienplatzを起点にし、まずは北上。
下の写真はテアティーナー教会(Theatinerkirche)。日が当たるとまぶしい。
ミュンヘン工科大学。最近読んでいる本(The Women Who Flew for Hitler)で頻繁に登場していて気になっていたため、実際に見ることができて良かった。垂れ幕を見ると分かるとおり、2018年で設立150周年らしい。学生の姿はまばらだった。
抵抗の単位にもなっているオームさんの像。
しばらく歩くと不思議な形をしている建物(NSドキュメントセンター)を見つけた。このNSドキュメントセンターはナチス党本部跡地に建てられた、ナチスの活動に関する資料館である。さっそく入ってみる。
上の階から下の階へ、順々に時代を追って第一次世界大戦から第二次世界大戦、現代にかけてのナチズムの動きが説明されていた。ドイツの恥ずべき、そして隠したくなる歴史のはずだが、だからと言って資料の説明が分かりにくいということもなく、むしろとても分かりやすかった。今立っているこの場所が様々な凄惨な歴史的事象の起点だったのだと頭では理解したが、あまり実感が湧かなかった。昨日行ったニュルンベルクもそうだったが、街の所々にナチスの名残がある。今はクリスマスシーズンであることもあいまって街に暗い雰囲気は漂っていないが、それでも若干考える所があった。
NSドキュメントセンターを後にして散策続行。少し雨に降られたが、止んだ後に虹を見ることができた。
そして夕ご飯。開いているお店はどこも混んでいて、最終的にはチェーンっぽいお店でハンバーガーを食べることになった。
まあビールがうまかったのでよし。
12/23 クリスマスマーケット@ニュルンベルク
今日は世界一有名だと言われているニュルンベルクのクリスマスマーケットを訪ねた。
ミュンヘンからICEに乗ること1時間。ニュルンベルク中央駅に到着。
旧市街は今も城壁で囲まれている。
ニュルンベルクが隆盛を極めたのは14世紀後半~16世紀前半らしい。カール4世によって金印勅書が交付されたり、アルブレヒト・デューラーがニュルンベルクの街の教会のために「4人の使徒」を描きあげたりした頃である。三十年戦争(1618 ~ 1648)でぼろぼろになった後、再び歴史の表舞台に登場するのはナチス・ドイツ時代~第二次世界大戦期である。ユダヤ人迫害の端緒となったニュルンベルク法、そしてナチス幹部ら第二次世界大戦の戦犯を裁いたニュルンベルク裁判は、世界史を学んだ人なら誰しも単語くらいは耳にしたことがあるのではないだろうか。
とまあそんなことを考えたり考えなかったりしつつ旧市街へ入ってゆく。クリスマスマーケットはフラウエン教会(Frauenkirche)に面した中央広場で開催されていた。
このフラウエン教会は正午に仕掛け時計が動くことで有名らしいが、到着した時には13時を回っていたため、残念ながら動いている所を見る事はできなかった。
適当にクリスマスマーケットをぶらぶらしてから、高台にあるカイザーブルク(Kaiserburg)へ向かう。11世紀にハインリヒ3世によって建造されたこのカイザーブルクからは、ニュルンベルクの街並みを一望できる。
曇りときどき雨、かつ強風だったため寒かった。カイザーブルクの周りを散歩し、再び中央広場の方へ戻る。
ニュルンベルクはドイツでのおもちゃ発祥の地としても有名だということで、おもちゃ博物館(Spielzeugmuseum)にも行った。ここではおもちゃの歴史を、その当時のおもちゃの実物を眺めつつ学ぶことができる。中世からナチス時代~第二次世界大戦を経て、電子ゲーム隆盛期に至るまで丁寧に解説されており、大変勉強になった。
ざっくりと、昔のおもちゃは知識・思想教育的な意味合いが強いのに対し、現在のおもちゃは娯楽的な側面が強いように感じた。例えば現代では幼い女の子の遊びとして定番であるままごとなども、昔は家事を教えるためのちゃんとした方法だったらしい。当時ままごとで使われていたおもちゃも展示されていたが、やたら本格的だった。政治思想を育むためにもおもちゃは利用されたらしい。ヒトラーやナチス幹部のフィギュアなども展示されていた。おもちゃを通して幼少期の教育について色々と考えさせられた。
おもちゃ博物館をまわり終えた所で早めの夕食をとることにする。ブラートヴルスト・ホイスレ(Bratwursthäusle)というレストランに入った。
ビール(TUCHER Hefeweizen)と白ソーセージ(Nürnberger)、ザワークラウトを注文した。白ソーセージはいい感じにさっぱりしているうえ、しっかり肉が詰まっていておいしかった。パリッとした食感に慣れている人は違和感を感じるかもしれない。ビールともよく合った。
食事を終えた後は再びクリスマスマーケットへ。グリューワインを飲んだ。とはいえお目当ては長靴のカップなので、グリューワインはおまけみたいなものである。連日のグリューワインによる胃腸の疲れを感じた。
ワインを飲み終えてから夜景を見にカイザーブルクへ向かったが、雨だったこともあり景色はあまり良くなかった。
12/22 クリスマスマーケット@ミュンヘン
日本からドイツへ旅行に来ていた母・弟と一緒に、ミュンヘンのクリスマスマーケットに行ってきた。クリスマスマーケットはマリエン広場(Marienplatz)を中心に開催されており、広場の周りは大盛況だった。
Bratwurstを食べながらビールを飲み、夕食とした。おいしかったが、Bratwurstのソースがとても辛かった。
グリューワインも飲んだ。カップは記念で持ち帰った。
規模はライプツィヒのクリスマスマーケットとどっこいどっこい。観覧車やメリーゴーランドがあった分、ライプツィヒの方がインパクトが大きかった。
クリスマスマーケットとはあまり関係ないが、ライプツィヒに比べて道端ですれ違う日本人が多い気がした。ライプツィヒでは都市の中心部においてもあまり日本語を耳にしないため、この感覚は新鮮だった。半年前、お世話になっている日本人Ph.D.の先輩が日本人の多さを理由にデュッセルドルフを「ほぼ日本」と形容していたことをふと思い出す。ライプツィヒに来たばかりの当時の自分には「ドイツなのにほぼ日本」という感覚がよく分からなかったが、ミュンヘンでその気持ちがすこし理解できた。そのうえどのお店に入っても基本的に英語が通じるため、非独語話者に優しい都市だと感じた。それはそれで物足りない感じもするけれど…。
また、Rを巻いて発音する人がたくさんいた。バイエルン訛りだろうか。イタリア語みたいだなあと思った。